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みなし弁済の成立要件‐「利息又は損害金として」‐ ①

2012.01.17(09:37)

みなし弁済の成立要件につき,最高裁判所事務総局監修の貸金業関係事件執務資料(法曹会)24頁では,

「1 消費貸借契約(利息・損害金契約)の締結のときに貸主が貸金業者であること
 2 業として行う金銭消費貸借上の利息又は損害金の契約に基づく支払であること
 3 利息制限法に定める制限額を超える金銭を
  ① 債務者が
  ② 利息又は損害金と指定して
  ③ 任意に
  ④ 支払ったこと
 4 法17条の規定により法定の契約書面を交付している者に対する支払であること
 5 法18条の規定により法定の受取証書を交付した場合における支払であること」
と解説していた。

 これが現在の執務資料では,前記3の要件について「債務者が超過利息等を利息又は賠償(損害金)として任意に支払ったこと」として,「債務者の指定」は要件から外れたかのごとく解説している。

 これは最高裁平成2年1月22日第二小法廷判決の「法43条1項にいう『債務者が利息として任意に支払った』及び同条3項にいう『債務者が賠償として任意に支払った』とは,債務者が利息の契約に基づく利息又は賠償額の予定に基づく賠償金の支払に充当されることを認識した上,自己の自由な意思によってこれらを支払ったことをいい,債務者において,その支払った金銭の額が利息制限法1条1項又は4条1項に定める利息又は賠償額の予定の制限額を超えていることあるいは当該超過部分の契約が無効であることまで認識していることを要しないと解するのが相当である。」と判示したことを受けて「認識」があれば「指定」は必要ないと解釈したものであると思われる。

 しかし,同最判は「…認識した上,自己の自由な意思によってこれらを支払ったこと」をいう,すなわち,「…認識した上…これら(利息の契約に基づく利息又は賠償額の予定に基づく賠償金)を支払ったこと」をいうとしているのであるから,同最判によって「債務者の利息又は賠償金への支払に充当する旨の指定」がみなし弁済の成立要件から外れたとは必ずしも言えないであろう。

つづく…

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