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過剰融資に関する判例③

2010.01.28(00:53)

貸金業法13条及び通達の意義とこれに関する原告の業務姿勢について検討するに,右規定及び通達は,顧客の返済能力等の調査が不十分なままに安易に貸付を行ってきた過去における消費者金融のあり方がいわゆる多重債務問題を発生させてきた主たる要因であるとの問題認識ないしこれらに対する反省に基づき規定されたものであるから,右通達の理解もかかる趣旨に副うものでなければならない。
   そうだとすれば,通達が定めるところの,簡易な窓口審査のみによって,無担保,無保証で貸し付ける場合の一業者当りの貸付基準額については,50万円とする部分(以下,「50万円基準」という。)と年収額の10パーセントに相当する金額とする部分(以下,「1割基準」という。)とあるが,その意図するところは,これらを比較して資金需要者の年収額の1割に相当する金額が50万円に満たない場合には1割基準を採用すべき旨を勧告していると解するのが相当である。
   かつまた,右の通達の趣旨を実現すべく,貸金業者には過剰融資という事態を招来しないような適正かつ健全な融資体制を整えることが求められていると解すべきである。」
  「通達に関する同人の理解は前記一1(四)記載のとおり※であるが,仮にそれにしたがった運用がなされるとすれば,複数の業者が一律50万円ずつ貸し付けることができることになり,多重債務者発生抑止を企図した貸金業法13条及び通達の趣旨が全うできなくなるおそれがある。そればかりでなく,右のような理解によれば,1割基準は低額所得者への貸付に対する抑制基準として機能するものではなく,むしろ年収額の高い者について融資限度額を引き上げる方向においてのみ用いられる結果となり,過剰融資を防止せんとする同条及び通達の意図とは逆に,高額の貸付を可能ならしめる余地が多分に生じることとなり,その本来の趣旨から大きく逸脱した運用を是認してしまうおそれがある。」
   ※ 貸金業法13条をうけた通達が「窓口における簡易な審査のみによって,無担保,無保証で貸し付ける場合の目処は,当面,当該資金需要者に対する一業者当たりの貸付の金額について50万円,又は,当該資金需要者の年収額の10%に相当する金額とする。」としている部分につき,その前段は一業者50万円までは無条件に貸し付けることを許容したものであり,後段については年収が500万円を超える場合にその10%に相当する金額まで貸し付けることができる旨を定めたものであるとの理解
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